( ^ω^)はヒューマン・ミート・リージェントのようです

1 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:39:03 ID:OzBhO5tI0
短いです。50レスいかずに終わると思います

鬱展開というか、人によっては閲覧注意な内容になります

それでは投下していきます

※この作品における「ヒューマン」とは食肉目的で飼育される人間のことを指し、人類の意味はありません

2 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:40:11 ID:OzBhO5tI0
-22XX年某日某所-
ブーンはゆっくりとナイフとフォークを手にし、皿の上のステーキを滑らかに切って真剣な表情で口に運んだ

( ^ω^)「…モグモグ」

( ・∀・)「いかがですかね?ブーンさん。今回は自信作なんですが…」

( ^ω^)「悪くはないお。サシの入り具合も充分。肉質もキメが細かくていい感じだお。ただ…」

( ・∀・)「ドキッ」

モララーはブーンの表情が少し険しくなったことに気付きました。この表情をした時は、大抵何らかの不満がある時です

3 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:41:47 ID:OzBhO5tI0
( ^ω^)「ほんの少し薬品の臭みが残ってるお。抗生物質の残留基準はクリアしてるのかお?」

( ;・∀・)「ギリギリではありますが、一応基準値は下回ってます」

( ^ω^)「…」

( ;・∀・)「…」

( ^ω^)「…50万円ってとこが相場おね。店によってはもう少し高く買ってくれる所もあると思うお」

( ;・∀・)「50万ですか…100万は下らない出来だと思ってたんですがねえ」

( ^ω^)「確かに、この子の命に報いる値段ではないかもしれないお」

(-_-)

ブーンはそう言うと、切断された「ヒューマン」の頭部に目をやった

4 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:43:34 ID:OzBhO5tI0
( ^ω^)「でも、多くの人を感動させ、この上ない喜悦を喚起させる味かというと、そうでもないお。リージェントとして、味に妥協する訳にはいかないお。これが、この肉の値段に相応しいお」

( ・∀・)「そうですか…分かりました。では50万から売りに出しますよ。ブーンさん。ありがとうございました。」

モララーは、ヒューマンの首を、大事そうにだき抱えた

( ・∀・)
つ(-_-)と

( ・∀・)「ごめんな…大した値段付けてやれなくて。でもお前の味を俺は誇りに思ってる。多くの人の舌を楽しませるんだぞ」

モララーは残ったヒューマンの肉枝を鮮やかな手つきで切り分けパックに詰め、冷凍車に詰め込みました。

( ・∀・)「じゃあな。いっぱい食べてもらえよ」

ヒューマンの肉載せて走る冷凍車を見送って、モララーはいつもの農作業に戻りました

6 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:45:26 ID:OzBhO5tI0
-ドクオの農場にて-
今度はドクオの農場の様子の視察だった。ブーンの仕事は肉の評価だけでなく飼育アドバイザーもあった。これだけ多岐に渡る仕事を任されるのも、ひとえにヒューマン・ミート・リージェントの資格を持っているからであった。それだけ、ブーンの社会的地位は高いのだ。

('A`) 「そうですか…モララーの所の出来は50万…まぁヒューマンの肉としては平均的な値段ですね」

( ^ω^)「ドクオの所はまだ出荷しないのかお?」

('A`) 「もう少し育ってからにしたいと思ってます。他のトコだと13~18歳の発情期に出荷することが多いですが、ウチは20代になって脂肪分の割合が増えてからにしようかと。特にメスは、その時期が一番脂肪がつきやすいですからね」

7 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:46:16 ID:OzBhO5tI0
( ^Д^)「アォ~ウ。アォ…アァ…」

川 ゚ -゚)「ウー。ウー」

ブーンとドクオは飼育小屋のヒューマンの様子を見ながら、仕事の話をしていました。

('A`) 「ではいつも通り、視察と批評、アドバイスをお願いします」

( ^ω^)「フムフム…」

( ^Д^)「ア…」

( ^ω^)「発育状態は悪くないおね。筋肉のつき具合、顔の血色、体臭ともに良好だお。この分だといいエサを与えてるみたいだおね。飼育小屋の衛生状態も良好。言うことないお!」

8 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:47:13 ID:OzBhO5tI0
('A`) 「本当ですか!このままいくといくらぐらいの値段になりますかね?」

( ^ω^)「少なく見積もっても80万円はいくお。もしかしたら100万を超えるかもしれないお」

('A`) 「100万!おい、よかったなお前…立派に育って」

( ^Д^)「アォ…」

ドクオはそのヒューマンの頭を優しく撫でてやった。ヒューマンは嬉しそうな表情をしてドクオを見上げた

('A`) 「それはそうとブーンさん…最近また、人権団体が騒ぎ始めてるみたいですよ」

( ^ω^)「国際人権団体連盟かお?奴らは僕の研究成果のヒューマン肉を食った時に黙らせてやったはずだお。まぁ、20年以上も前の話だけどお…」

9 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:48:25 ID:OzBhO5tI0
ブーンが最初に人間の肉の味に至上の可能性を見出したのは、大学時代のことだった。栄養学を専攻していたブーンは、人間の最もよい栄養の摂取方法は、人肉を食べることではないかと考えていた。しかし、一般に人肉はまずいイメージがあり、事実、ブーンも大学を通して合法的に手に入れた遺体の肉を調理して食べたことがあったが、とても上手いとは思えなかった。

( ^ω^)「まてよ…確かこの遺体の人は生前肉の食い過ぎで動脈硬化になってそれが原因の病気で死んでるお…」

ブーンはあることに気付いた。最も上手い肉と思われる牛肉は、草食動物の肉である。ならば、人間も肉を食わずに野菜や果物だけ食べて入れば、その肉も美味しくなるのではないだろうか、と。
そこでブーンは、知り合いの出産を望んでいなかった女性の子供を1億で買取り、外部にバレないよう隔離し、ミルクを除いては、全て野菜と果物、穀物ベースの食事を与えて育て、5歳になった時に、屠殺してその肉を食べてみた。

( ^ω^)「こ…これは…」

結果は予想通り、いや、予想以上であった。そうして育てた人間の肉は、牛の霜降りステーキをはるかに凌駕する極上の味だったのだ。

( ^ω^)「この味をもっと多くの人に知って欲しいお!」

10 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:49:14 ID:OzBhO5tI0
こうしてブーンは、大学時代の同級生のドクオやモララーを誘って、人肉の生産事業を展開することを決めた。人肉として育てる家畜を「ヒューマン」と呼び、その子供は例によって子供をいらないという女性から高額で買い取った。そうして、事業を始めようとした所で、当然多くの反対意見があった。警察、国際団体、政府、国連、ひいては軍隊まで、あらゆる団体がブーン達の事業を「非人道的」として糾弾する姿勢を見せた。ブーンには、多くの殺害予告や脅しのメール、電話、手紙が届くこともあった。その内容は「残虐過ぎる」「人間を食うなんて人間じゃねえ、死ね」「お前がケダモノに食われろ」「お前を殺す。正義のために殺す。必ず殺す」といった過激なものであった。

( ;ω; )「ひどいお…ブーンはヒューマン肉の味でみんなを感動させたいだけなのに」

そんな矢先、国連人権団体連盟の総長であるショボンが、ブーンに対談を求めてきた。もちろんブーンはこれに応じた。そして、対談の様子は、全世界に生中継で放送された。

11 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:50:50 ID:OzBhO5tI0
-20年前アメリカ国際会議場にて-
(´・ω・`)「さて…」

( ^ω^)「…(なんて威圧感だお)」

その日、ブーンはアメリカの国際会議場で、100人の米軍兵士に銃口を向けられながら、ショボンと向かい合っていた。

(´・ω・`)「すごいもんだろ?国際人権団体連盟の総長ともなると、米軍にも顔が効いてね。もっとも、彼等の殆どは本心から君を撃ち殺したいと思ってるだろうがね」

( ;^ω^)「…(僕はここで死ぬのかお?)」

12 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:51:44 ID:OzBhO5tI0
(´・ω・`)「ハッキリ言っておこうブーン君。僕は君を今すぐ殺しても構わないと思うほど侮蔑している。こうして顔を突き合わせているのも死ぬより不快だ」

( ;^ω^)「…(お前は死んだことあるのかお?)」

(´・ω・`)「君の論文によると…君は5歳の罪なき幼い子を食べるためにケダモノのように残忍に殺したようだね」

( ^ω^)「残忍には殺してないお。麻酔をして眠らせてから放血して失血死させたから苦痛は感じてないお。それに戸籍もなかったし、存在しなかったも同然の子だったお」

(´・ω・`)「そういうことを言ってるのではないのだよブーン君…本当に殺したくなってきたね…」

ショボンの体は怒りで震えていた。本当に、ブーンはここで死ぬかも知れないと思った。

13 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:52:45 ID:OzBhO5tI0
(´・ω・`)「証拠が皆無だったから論文が出ても逮捕されなかったようだが…君たちが始めようとしてる人肉事業。あれが開始されれば間違いなく君たちは全員逮捕されて死刑だ。」

( ^ω^)「…それはまだ分からないお。僕たちは飼育するヒューマンは大脳を手術して人間的知性を殆ど取り除くと決めているお。だから人権が適応されるかどうかも危ういお」

(´・ω・`)「『ヒューマン』とかいうふざけた呼び名はよしたまえ。『人間』だろう。人権を持った人間だ。食べるられるためではない。生きて、愛されるために産まれてきたんだ。」

( ^ω^)「とりあえず…この肉を食べて欲しいお。僕の研究成果だお」

(´・ω・`)「ふ…これが証拠になるな。だがいいだろう。食べてやる。食べて貴様の腐った思想と精神をこの舌と体に刻みつけ、貴様を一生苦しめるだけの活力としよう。この5歳の罪なき幼子の遺体の一部をこの体の一部とし、この子のために貴様を呪う一種の『儀式』として、一口だけ、口にしてやろう。その後、この証拠を持って貴様の身柄を国際警察に引き渡す」

14 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:54:12 ID:OzBhO5tI0
もしここでショボンが肉を口にせずにそのまま証拠として提出していれば、ブーンは今頃死刑になっていただろう。

(´・ω・`)「おお…なんと…」

(´・ω・`)「これは…」

ショボンは恍惚とした表情をし、しばらく呆然としていた。そしてその様子は全世界に放映されていた

(´・ω・`)「なんと美味いのだ…これが…これが食べ物なのか?これはまるで…」

ショボンは一口だけでなく更に、肉を切り刻み口に運んでいった。

(´・ω・`)「神の御業…神の…奇跡…」

15 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:55:53 ID:OzBhO5tI0
ショボンが肉を食べる様子があまりに美味そうだったため、同席していた国際人権団体連盟の幹部や国際警察の者、それに米軍兵士達も、その肉を俺たちにも食わせろと騒いだ。

( ^ω^)「慌てなくて、いいお。ここにいる人の分くらいの肉は用意してあるお」

そうして、国際会議場は、ヒューマン肉の大宴会場となり、その様子は全世界に生中継された。この日をきっかけに、ヒューマンの飼育と屠殺は特別な権利が国際的に認められた者が行うことは国際条約で合法となった。そうして、ブーン達の事業が始まり、ブーンは研究者から、ヒューマン・ミート・リージェントという名誉ある職に就いたのであった。

(´・ω・`)「皆さん、人は人や動物の肉を食べる。罪深き生き物です。でもだからといって、それらの肉を食べないことが正義なのでしょうか?私はそうは思いません。『いただきます』という言葉がなんのためにあるか考えてみて下さい。自ずと答えは出ると思います。今日も私はヒューマンの肉を食べます。そして私の人生は、より豊かになっていくでしょう。皆さん、これが人類のあるべき姿ではないでしょうか?」

ヒューマン肉文化が世界に広まった頃の、ショボン国際人権団体連盟総長の、有名な演説である。

16 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:57:28 ID:OzBhO5tI0
( ^ω^)「懐かしいお。あの日の僕があるから、今の僕があるんだお」

('A`) 「いや…あいつらじゃなくて、最近活動が過激になりだした、民間の団体なんです」

ドクオが言うには「いのちを守る会」という団体が、最近ヒューマン肉に対する過激な抗議活動を行っているとのことだ。

('A`) 「その『いのちを守る会』の代表のツンという女が、相当気の強い女性らしくて…既に日本のヒューマン肉生産農家の幾つかは物理的に破壊されたみたいです…」

( ^ω^)「破壊…随分物騒な話だお。」

17 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:58:57 ID:OzBhO5tI0
これまた時代遅れな団体がいたものだと、ブーンは思った。ヒューマン肉の味の素晴らしさが全世界に知れ渡ってる以上、何を抗議する必要があるのだろうか?

('A`) 「とにかく気をつけて下さいね。奴らは何をしでかすか分かりませんから」

( ^ω^)「心配ないお。どんな過激な団体でも話し合いできっと解決できるお」

その日の仕事を終えたブーンは自宅に戻った。マンションを買ったが、結婚はしていない。ヒューマン・ミート・リージェントの仕事は年収もよくブーンと結婚を望む女性は多くいたが、ブーンは一人の方が気楽だった。

( ^ω^)「時々寂しくなる時もあるけど、一人でゆっくり過ごす時間は他の何にも変え難いお」

18 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 04:59:44 ID:OzBhO5tI0
ブーンは冷蔵庫からヒューマンの脳味噌を取り出した。ヒューマン肉の中でも、珍味とされる部分で、脳味噌だけで20万の値がつくこともある。

( ^ω^)「この子は10歳で出荷された子だから、鮮烈な味が楽しめるお。」

脳味噌をパックから取り出しサラダ油をひいたフライパンにのせ、強火で軽く焦げ目がつくまで炒めた。いい具合に焼けたら、ネギの切りとガーリックスライス、それに味付けに醤油とバターを少々加えて、ソテー風に仕上げた。

( ^ω^)「味は…うん!素晴らしいお。若い子供の脳味噌はスッキリさわやかで舌触りが優しくて、とても豊かな味わいだお」

夕食を終えたブーンは風呂に入り、趣味のクラシック音楽を聴いてから眠りに就いた。明日も、仕事が待っている。

19 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 05:01:19 ID:OzBhO5tI0
ピンポーン ピンポーン

翌朝ブーンはインターホンで目を覚ましました。まだ朝の6時です

( ^ω^)「誰だお?こんな朝早く…非常識な奴だお」

ドアを開けると、そこには気の強そうな目つきの鋭い女性が立っていました。その目は、ブーンをしっかりと見据えて、いや、睨んでいました。

ξ゚⊿゚)ξ「初めまして…ブーン内藤さん?」

( ^ω^)「おはよーございますお。どなたですお?」

20 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 05:02:22 ID:OzBhO5tI0
ξ゚⊿゚)ξ「ふぅ…人の良さそうな善人面をしてるのね。もっとも、カニバリストはそんな偽善者ばっかだけど。私はツン・デレーション。『いのちを守る会』の代表よ」

なるほど、確かに気の強そうな女性だ。強気なものいいのツンを見て、ブーンは思った。

( ^ω^)「なんだが宗教団体みたいなネーミングだおね。で、こんな朝早くから僕に何の用だお?」

ξ゚⊿゚)ξ「あなたが人肉食を世界に広めた張本人でしょう?今すぐ論文を撤回して、『人間の家畜化は間違いであり、いかなる理由があろうとも許されるべきではない』と全世界の人たちに伝えなさい。あなたが言えば、効果はあるでしょう」

( ^ω^)「プークスクス」

ξ゚⊿゚)ξ「地獄に堕ちたくなければ、今からでも罪を償うべきよ。さあ…」

( ^ω^)「罪?なんの罪だお?」

21 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 05:03:22 ID:OzBhO5tI0
ξ゚⊿゚)ξ「決まってるでしょう?殺人と、食人の」

( ^ω^)「ツンさん、あなたはヒューマン肉を食べたことがないのですかお?とても美味ですお。どんな高級食材も、及ばないほどにね」

ξ゚⊿゚)ξ「あいにくだけど、家族を食べる趣味は持ってないわ」

( ^ω^)「家族?」

ξ゚⊿゚)ξ「ええ、この地球上の人類は、みんな家族よ。食べるなんて間違ってるわ」

( ^ω^)「そうかお。なら今世界で、飢えに苦しむ人間が何人いるかはご存知かお?」

ξ゚⊿゚)ξ「は…?ちょっと、話を逸らさないでよ、人肉食と、何の関係があるのよ」

22 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 05:04:18 ID:OzBhO5tI0
( ^ω^)「正解は約10億人だお…家族が飢えに苦しんでるのに、苦しんでる家族の数も知らないんだおね。ちなみにこの数字は、200年前から殆ど変わってないお。国際人権団体連盟やら、宗教団体やらは、何をしてたんだろうおね。金なんか有り余ってるはずだお」

ξ゚⊿゚)ξ「だから何よ…それとこれとは話が別よカニバリスト。誤魔化すのはやめなさい!」

( ^ω^)「ツンさん、あなたは牛肉を食べますかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「食べるけど…それが何だっていうのよ!人を食べるのと、牛を食べるのとでは全然意味が違うわ!」

( ^ω^)「『いのちを守る』いい響きだおね。自己陶酔にはもってこいだお。君らの団体を調べさせてもらったお。ヒューマン肉に反対、動物虐待に反対、オタクは犯罪者予備軍だから規制しろ、立派だおね。立派だお」

23 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 05:05:09 ID:OzBhO5tI0
ξ゚⊿゚)ξ「何よ…何が言いたいのよ」

( ^ω^)「一方で世界で食糧不足に苦しむ人は知らんぷり、人に食べられる牛や豚は知らんぷり、DQNにいじめられるオタクは知らんぷり、素晴らしいお。素晴らしい団体だお『いのちを守る会』」

ξ゚⊿゚)ξ「…」

( ^ω^)「君らを見ていてもイマイチ誠意が伝わってこないお。ホントにヒューマンを助けたいと思ってるのかお?助けるために何かを犠牲にする気はあるのかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「何よ…何をさせようっての?…か…体なら差し出すわよ。私は、あんたに犯されることなんか怖くない…それであんたが、人肉食の間違いに気づいてくれるならね?」

( ^ω^)「僕を性欲猿みたいな目で見るのは辞めて欲しいお。僕が言ってるのはそういうことじゃないお…僕が君にやって欲しいことは…」

24 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 05:06:44 ID:OzBhO5tI0
-翌日某所-
ブーンがツンに出した条件は、1月の断食だった。それも1メートル四方の狭い独房の中でのものだった。水は与えられるが、食糧は一切与えられない。ただし、最高級のヒューマン・ミートのサーロインステーキを除いては。この断食をやり遂げたら、ブーンは論文の内容を撤回し、人間の家畜化をやめることをツンに約束し、契約書にサインした。
もし契約を破れば、ツンはブーンを殺す権利を手に入れるという内容だった。

( ^ω^)「トイレは床が毎日一定の時間に開くからそこにすればいいお。どうせ水しか飲まないから大してでないだろーけどおね」

ξ゚⊿゚)ξ「わかったわ」

そうして扉が閉められ、狭く薄暗い独房でのツンの1月の断食が始まった。

25 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 05:08:06 ID:OzBhO5tI0
ξ゚⊿゚)ξ「…狭い…気が変になりそう」

床に座ろうとしたら、突然床から大量の針が出てきました。

( ^ω^)「言い忘れてたけど、その床は座ろうとしたら針が出てくる仕組みになってるお。座ろうなんて甘い考えが、許されると思ったかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「認識が甘かったかな…思ったよりずっと辛い戦いになりそう…」

だが、契約書は既に国際司法裁判所に提出されている。もしこの勝負の途中でツンが死ぬようなことがあれば、ブーンは強制的に契約内容を実行するか、死刑になるかのどっちかである。

ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫…あとはわたしが頑張れば…」

26 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 05:09:04 ID:OzBhO5tI0
-3日目-
( ^ω^)「頑張るおね。でもまだ3日だお。まだまだだおっおー」

ξ゚⊿゚)ξ「…」

断食も辛いが、それよりも辛いのがこの独房だった。何の飾り気もなく、ただ灰色の壁が1メートル四方にあるだけで、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚に殆ど一切の刺激がない。狭くて身動きが取れないので、体の感覚がおかしくなってくる。
何より、座れないとうことは、足に凄まじい負担がかかることを意味し、さらに、眠れないということを意味する。
立ったままうとうとすることは出来るが、一方間違えたら床の針で串刺しになる。
たった3日で、ツンの体力も精神力も既に限界に近かった。

ξ゚⊿゚)ξ「でもこんな苦しみ、今まで食べ物にされてきた人々や子達の悔しさに比べたら…」

そう思い、ツンは踏ん張った。

27 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 05:10:00 ID:OzBhO5tI0
-そして22日目-
ξ⊿)ξ

( ^ω^)「もう廃人状態だおね。」

ξ⊿)ξ

( ^ω^)「断食も効いたけど、それ以上にこの独房は精神をいかれさせるには充分だったようだお。」

( ^ω^)「さて、ツンさん」

ξ⊿)ξ

( ^ω^)「ここに最高級のヒューマン・ミート・ステーキがあるお。食べてみませんかお?」

28 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 05:10:55 ID:OzBhO5tI0
ξ⊿)ξ「ください」

( ^ω^)「即答だおね。いいお。今そこから出してあげるお」

ツンは独房から解放されました。

( ^ω^)「はい、召し上がれ」

ξ⊿)ξ「モグモグ…とても美味しいです」

( ^ω^)「その肉は13歳の女の子のサーロインの部分のステーキだお。果物を沢山食べさせて肉の臭みを限界まで消して、ビールを沢山飲ませて肉を柔らかくしたものだお。ほら、ここにその子の首があるお」

そう言ってブーンはヒューマンの頭部を指差した

(*゚ー゚)

( ^ω^)「あの子の肉だお。さて、お味はいかがですかお?」

ξ⊿)ξ「とても美味しいです。こんな肉が食べられてとても幸せです」

( ^ω^)「そうかお。それは何よりだお」

~ブーンはヒューマン・ミート・リージェントのようです・fin~

29 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 05:12:48 ID:OzBhO5tI0
50どころが30レスもいきませんでしたが、以上で終わりになります
読んで下さった方がいればありがとうございました

30 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 05:24:22 ID:v4Pusl.YO
乙、久々に強烈な作品に出会って思わず一気に読んでしまった……
なんだか急に終わってしまったようなラストだけど、続きの構想とかあったりした?

31 名も無きAAのようです[sage] 2013/09/21(土) 05:28:42 ID:zL8YcO3U0
駆け抜けたな、乙

朝一で凄まじい胸糞モノを見た(当然褒め言葉)
おかげで今日一日は最高の気分で過ごせそうだ

32 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 05:37:07 ID:OzBhO5tI0
>>30
感想ありがとうございます
一発ネタだと思ったんで長い構想は考えてませんでした
ショボンが喜ぶ所だけ最初に思いついて、その他を付け足したって感じです

34 名も無きAAのようです 2013/09/21(土) 06:10:16 ID:YhidKv.MO
サクッと終わるのがまたおもしろい


38 名も無きAAのようです[sage] 2013/09/22(日) 03:15:06 ID:uC8ZG97QO

こんな未来になったら怖いと思いつつ面白かった

39 名も無きAAのようです[sage] 2013/09/22(日) 12:46:02 ID:PK9UWbls0
乙だがオチが弱いというかあっさりしてるな

41 名も無きAAのようです[sage] 2013/10/07(月) 01:11:06 ID:59XVgDzo0
ツンのところはいくらなんでも…
三日で死ぬよどう頑張っても

異常性を感じないほどキャラが普通にしてたのが良かった

人肉は不味いとされてるけど、もしこれみたいにこの世で一番旨かったらどうなるんだろうな





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